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鈴木愛理のセカンドアルバム「I」から考えたこと

2020年12月18日発売の鈴木愛理セカンドアルバム「I」をやっと聴きました。

 

このアルバムに収録されている曲の多くは2018年秋のZeppツアーで初披露された曲なんですよね。僕はこのZeppツアーに3回参戦しました。大阪名古屋東京です。どの新曲も素晴らしく、それはもう早くCD発売してくれと思ったものです。

ただ、CDがリリースされたのはツアーから一年後でした。そんなに寝かせる??ツアー曲より先にシングルも発売したし。あんなに待ってたのに……。と発売を心待ちにしていたので少しガッカリした部分もあったのですが、しかし!!!

 

このアルバムを聴いて、「ライブで初披露から一年後に音源化」という今までのハロプロでは珍しい部類のリリース方法、むちゃくちゃありなんじゃないかと思いました。

 

というのも、ハロプロあるあるなんですが、シングルやアルバムに収録された曲ってどこか固いというか、まだ仕上がってないんですよね。

ハロプロは春と秋にグループの単独ツアーがあって、夏と冬にハロープロジェクト全体のコンサートが開催されます。そこで新曲をガシガシ歌って踊るんです。ライブで新曲を何度も歌うことでメンバーが歌い方や自身の魅せ方を学んでいきます。モーニング娘。で歌唱力に定評のあるの小田さくらさんはライブの映像を借りて、ひたすら自分の歌い方を見直すそうです。研究熱心なんですよね。

ライブで歌い重ねることで、CDに収録されたものより生歌の方がむちゃくちゃうまく聞こえるんですよ。CDは曲が渡されて練習してから短期間で収録なので、どこかぎこちなくなってしまうのかもしれません。

 

で、今回の「I」は、今までのハローのCDとは作り方が違うんです。本来はCD作ってライブして……という流れなのに、このアルバムの楽曲の多くはライブしてから音源を録音しているんです。

(ごめんなさい、この作り方のソース出したかったんですけど見当たらなくて。ライブ中に聞いたのかな?愛理ちゃんから再録って聞いたような)

CDが発売される前にツアーを2本、それ以外にもイベントやフェスにも参加して歌っているわけですから、通常のCD作成時と比べると収録までに相当練習ができています。歌いなれているおかげでどの曲も歌声がすごくのびのびしていて完成されているんですよね。聞いていてむちゃくちゃ気持ちいいです。改めて、歌うまいなと感心しました。

今のハロプロは、CD発売の一ヶ月前に収録曲がラジオで初公開されたり、リリースイベントで披露されたりしています。CD発売前に公開はしていますが、収録は終わってるんですよね。リリースイベントをこなすことでせっかく曲を歌えるようになっても、曲を録り直すことはできないんです。

 

今、CDはなかなか売れにくい時代になっていると思います。ストリーミングサービスもすごく便利だし。

そんな時代にCDを売っていくひとつの手段として、CDをすぐに売らず、一度ライブで温めてから録音して売るという方法も効果的なのでは?と考えました。

 

今回の「I」は以下の手順で発売されています。

①ライブで新曲を披露

②ライブで披露したうちの一部の曲をシングルのカップリングとしてリリース。

③ライブから一年後にアルバム、もしくはCDでリリース

 

この①から③の流れに沿って音楽活動をすることもCD多く買ってもらうための一つの方法だと思います。

このCDリリースの順番は収益モデルとしてもいい気がします。なぜなら、

①新曲はライブに行かないと聴けない⇒ライブの集客に繋がる

②ライブで披露することで楽曲が人気になりCDを買う。ストリーミングと違い、CD販売の会社やCD自体を作っている会社やパッケージの会社にも仕事が生まれる。

③歌い慣れて完成度の高い曲を聴くことができるのでファンの満足度も高い

以降、ファンは①から③を繰り返す。

 

この手順でCD売るのって、過去のハローではまだ少ないですよね。今までのハローはCDに握手会や特典会の参加券をつけることで販売数を増やしていたと思うんですけど、握手会や特典会に興味のないファンは買わないかもしれません。発売後一ヶ月もしたら、中古のシングルなら100円で買えることもあるし。何枚もCD持ってる人がタダでくれることもあるし。CD売れにくいから特典をつけて売ってるわけで、特典がないなら、もしくは特典に興味がないならわざわざリリース週にCD買わない人も少なくないと思います。

 

愛理ちゃんとは別ですが、モーニング娘。17のアルバム「15 thank you ,too」の「私のなんもわかっちゃない」や「青春 Say A-HA」もライブ先行ですよね。あとJuice=Juiceのアルバム収録曲もライブ先行の曲が多いです。これらの曲はライブで歌いこなされているだけあって、むちゃくちゃいい出来だと思います。これからはアルバムの一部の曲だけでなく、シングル曲もライブ先行で出していくのもありなんじゃないかと考えました。

 

ハローは所属しているアイドルに実力があるのだから、接触系のイベントに頼りすぎず、実力で売っていってほしい。もちろん握手の対応力やビジュアルのよさも実力のうちで今のアイドルには必要不可欠ですが、それに特化したグループがわんさかいて、ハローは太刀打ちできません。CDのメインである曲で売っていく。原点回帰するのもありなんじゃないかと思いました。